ウインドリバーは、ABI Researchによる5Gクラウドネイティブプラットフォーム(Kubernetes、コンテナ、CaaSレイヤー)の競争力ランキングにおいて、業界をリードする第一位企業として、また「トップイノベーター」および「トップインプリメンター」として評価されたことを光栄に思います。この評価は、通信業界に最先端のソリューションを提供する上でウインドリバーが絶え間なく取り組んできたイノベーションと卓越性を証明するものです。このブログ投稿では、Studio Cloud Platform、Studio Conductor、Studio Analyticsを含むWind River Studio Operatorが、なぜSuse、Mavenir、Red Hat、VMWare、Ericsson、Nokiaを抑えて今日の市場でトップのCaaSプラットフォームとして際立った存在感を示しているのかについて、ABIレポートがまとめたキーインサイト(主な洞察)をお伝えします。
クラウドネーティブソリューションにおけるイノベーション
ABIレポートでは、ウインドリバーによるクラウドネイティブアーキテクチャの進化への重要な貢献が高く評価されています。ウインドリバーはミッションクリティカルなソフトウェアを航空宇宙・防衛、自動車、産業機器、通信などの様々な業界へ提供し、高い評価を得てきました。ウインドリバーのクラウドネイティブプラットフォームであるWind River Studio Operatorはウインドリバーのイノベーションへの取り組みを示す代表例です。
統合されたクラウドプラットフォーム
Wind River Studio Cloud Platformは、ネットワーク操作の自動化とオーケストレーションを一つの画面で実現させるための一連の堅牢な機能で、CaaSレイヤー機能を強化します。Wind River Studio Operatorにはネットワークのエッジとコアの両方で使用可能な統合クラウドプラットフォーム、オーケストレーション、分析機能が搭載されていることから、ABIレポートではWind River Studio Operatorが提供する包括的機能が評価されています。この大規模な統合により、5Gネットワーク管理が簡素化され、通信事業者に効率的かつ合理的なソリューションが提供されます。
高度なオーケストレーションと分析
ABIレポートでは、Wind River Studio Conductorについて、「E2E通信事業者のためのオーケストレーションレイヤーとして機能し、インフラ、オペレーション、アプリケーションの3つのレイヤー全体でインテントベースのデプロイメントに使用することができる」と述べてています。このオーケストレーション機能は、AI/MLを利用した分析とノードを評価するためのAnomaly Explorerを提供するWind River Studio Analyticsによってさらに強化されています。これにより、ネットワークパフォーマンスの持続的な最適化とプロアクティブな問題解決が実現されます。
自己回復ネットワーク
Wind River Studio Operatorは、分散型クラウドアーキテクチャを提供するオープンソースStarlingXプロジェクトをベースにしています。これは市場ではユニークなアプローチです。ABIレポートでは、「エッジサイトを含め、すべてのサイトにコントロールプレーンを備えたマスターノードを配置することでネットワークを自己回復する革新的なソリューション」と説明されています。これによりコアとエッジ間の接続が失われた時でもエッジサイトは完全に機能し、再接続した時点でコアをアップデートすることができます。このアプローチは、接続が失われた際にエッジノードがアイドリングし、コストのかかるアプリケーション再起動が必要になる一般的なKubernetesアーキテクチャとは対照的です。
リソース効率
ABIレポートは、ウインドリバーのリソース効率を評価し、「ウインドリバーのクラウドプラットフォームが必要とするオーバーヘッドはシングルコアのみであるため、ウインドリバーはリソースを効率化するソリューションとしてもイノベーションを起こしている」と述べています。ウインドリバーのリソース効率化によって、より多くのコアをアプリケーションレイヤーのワークロード専用に使用することができ、フットプリントや総保有コスト(TCO)が削減されます。さらに、プロセッサのPステートとCステートを動的に制御して電力消費を削減するためのウインドリバーのソリューションが価値ある5G Advanced機能として強調されています。
模範的な実装と実行
ウインドリバーの成功は革新的なソリューションによってのみ推進されているのではなく、模範的な実装と実行によっても推進されています。ABIレポートは5Gネットワークの厳しい要求を満たす実用的で、スケーラブルな、効率性の高いリューションを提供するウインドリバーの能力を強調して伝えています。
包括的なデプロイメントプラットフォーム
ABIレポートには「Wind River Studio Operatorはデプロイメントマネジャー、コンダクター、オーケストレータ―、分析ハブが搭載された統合プラットフォームを提供します。このプラットフォームはE2Eネットワークの管理に使用され、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドのいずれにも使用できます」と記載されています。この汎用性により通信事業者は、ハイブリッドクラウド環境内でも、アプリケーションのワークロードをシームレスに展開、監視、拡張することができます。
真のゼロタッチプロビジョニング(ZTP)
ABIレポートでは、ウインドリバーのプラットフォームの自動機能について、「このプラットフォームは、サーバーの電源投入からイメージのマウント、アプリケーションの展開まで、真のZTPの良い例である」と強調しています。この自動化により、ネットワークデプロイメントの際の複雑さ、デプロイメントに要する時間が短縮されるため、通信事業者は5Gネットワークを効率よく拡張することができます。
業界をリードするデプロイメント
ウインドリバーは、グローバルな通信事業者が大規模に商用展開を行っている唯一の仮想RANインフラストラクチャであることを誇りに思っています。ABIレポートには「Verizonは仮想化された何万ものセルサイト展開し、持続的な大規模成長を計画している。VodafoneはWind River Studio Operatorを使用し、ヨーロッパ初で最大の商用Open RANを構築している」と記載されています。Elisa、TELUS、NTT DOCOMOなどの大手通信事業者との協業は、この分野におけるウインドリバーのリーダーシップを強力に示すものです。
オープンソースおよびコミュニティ主導
ウインドリバーのオープンソース開発への取り組みはもう一つの重要な強みです。ABIレポートでは「Wind River Studio OperatorはOpenInfra Foundationが主催するStarlingXプロジェクトから生まれた完全なオープンソースで、開発は100%アップストリームである」と強調されています。活気に満ちたオープンソースエコシステムでのコラボレーションによる開発モデルを通し、ウインドリバーのプラットフォームは速いペースでイノベーションを実現し、今日の通信ネットワークと今後登場する新たなユースケースからの要求にこたえるための最前線に位置しています。
評価基準の概要
ABI Researchのランキングはイノベーションと実装を組み合わせた基準に基づいています。
イノベーションの基準は以下の通りです:
- コンテナオーケストレーション、自動化、アドオン(62%): コンテナの管理、自動化機能、Kubernetesを拡張する統合機能を評価
- 継続的インテグレーション、継続的デリバリ(CI/CD)(10%): パッケージ化されたGitOps統合または同等のソリューションを求め、プラットフォームのCI/CD能力を評価
- 5G-Advancedへの対応(10%): ネットワークAI、クラウド化されたRAN、超低遅延などの5G-Advanced機能の準備状況を評価
- リソース効率(10%): CPUコアの使用状況、リソース監視を含め、プラットフォームのリソース消費と効率性を評価
- コンテナセキュリティ(8%): コンテナの暗号化、アクセス管理、脅威保護のための組込みメソッドを評価
実装の基準は以下の通りです:
- 主要イノベーションのデプロイメントステータス(20%): ゼロタッチプロビジョニングといった主要イノベーションの商業的成功と実際の導入を評価
- 分散型ワークロード向けの統合プラットフォーム(15%): コンテナオーケストレーションソリューションがプラットフォーム内でどの程度統合されているか評価
- プラットフォームの技術的オープン性と汎用性(35%): 様々なクラウドデプロイメントタイプ、サードパーティNF、APIエクスポージャーとの互換性を評価
- プラットフォームの商業的オープン性とアクセシビリティ(30%): 市場への導入、アクセシビリティ、コミュニティサポートを評価
結論
ABI Researchによる5Gクラウドネイティブプラットフォームの競争力ランキングで総合第一位の業界をリードする企業に選出されたことは、ウインドリバーにとって誇るべき成果です。今回の選出は、通信業界向けに革新的でスケーラブルな、効率の良いソリューションをお届けするウインドリバーの努力と取り組みを証明するものです。ウインドリバーは5G革命における競争を引き続きリードし、イノベーションを推進し卓越性の新たなベンチマークを確立する努力を続けてまいります。この取り組みを可能にしてくれるお客様、パートナー、そしてウインドリバーのチーム全員に感謝します。私たちは皆様と共にコネクティビティの未来を形作って行きます。
著者: ランディ・コックス, ウインドリバー製品管理およびビジネスオペレーション担当バイスプレジデント