- Vodafoneが5Gライブトラフィックを伝送する英国初のOpenRAN基地局を始動
- 政府のOpenRAN普及の推進に呼応し、英国での大規模なOpenRAN展開の第一歩となる
- バースの基地局開設を皮切りに、2,500箇所のOpenRAN基地局を展開予定
- OpenRAN基地局の開局はSamsung、ウインドリバー、Dell、Intel、Keysight Technologies、Capgemini Engineeringとのパートナーシップによって実現
Vodafoneが、英国初の5G OpenRAN基地局を始動しました。バースが、今後Vodafoneが展開する2,500箇所の5Gおよび4G OpenRANの最初の基地局となります。OpenRANエコシステムの展開を加速させる政府の取り組みに呼応した、大きな一歩でもあります。
英国政府と複数の通信事業者が先月、OpenRANエコシステムの拡充に協力して取り組む考えを表明しました。Vodafoneは2016年にOpenRANエコシステムを構想して以来、一貫してこれをリードしており、英国のさまざまな地域で積極的にOpenRANを展開しています。
基地局の開設を記念して、1月11日に、OpenRANインフラストラクチャを介した初の5Gビデオ通話が、Vodafone UKの最高ネットワーク責任者Andrea Donaとデジタルインフラ大臣Julia Lopez氏との間で行われました。
デジタル・文化・メディア・スポーツ省 デジタルインフラ大臣 、Julia Lopez氏は次のように述べています。「今回の通話は、英国で初めて5G OpenRANインフラストラクチャを通じて行われたもので、我が国の通信事業にイノベーションをもたらす大きな一歩です。OpenRANは英国のモバイルネットワークにとって、今後重要な役割を果たす存在であり、それを実現したVodafoneを称えたいと思います。政府は多様化戦略の下でOpenRANに対して2億5,000万ポンドの投資を行っており、ネットワーク上の多様で障害からの回復力もある、安全な機器を通じて、5Gの大きなメリットを個人ユーザーと企業に提供していきます」
この新しい基地局の開設にあたっては、初めての試みが数多く実施されています。
- 欧州初の大規模なOpenRANプロジェクトであり、2027年までに2,500箇所の基地局を展開予定
- 初めての5G OpenRAN基地局
- ユーザーのライブトラフィックを送信する英国のマクロ基地局に初めてOpenRANテクノロジーを導入
Vodafone UKの最高ネットワーク責任者、Andrea Dona氏は次のように述べています。「これはモバイル業界の新たな章のはじまりです。Vodafoneのチームは、実験室内の理論でしかなかったOpenRANテクノロジーを現実世界のお客様に提供するために、たゆまぬ努力を続けてきました。短い期間にここまでの成果を上げられたのはすばらしいことです。OpenRANの概念が登場してからまだ5年ですが、通信インフラの根本的な変化はすでに始まっています。これは通信業界にとっての重要な分岐点であり、変化と進化をもたらします」
OpenRANテクノロジーはソフトウェアとハードウェアを分離して扱うため、モバイル事業者にとって柔軟性に優れた技術です。従来はソリューション全体を1社のベンダーが提供していましたが、OpenRANによって通信事業者がより専門のサプライヤーを複数利用することが可能です。これは通信のサプライチェーンの多様化を促すだけでなく、重要な国家インフラの耐性を強化し、イノベーションの促進材料にもなります。エネルギー効率に優れた通信機器が増えるとともに、モバイル事業者による次世代ネットワークのデプロイが加速することが考えられます。
OpenRANテクノロジーは通信業界にとって既存の概念を覆す技術だと見られており、Vodafoneは、このベンダーエコシステムの発展を支援するリーダー企業の1つです。
最初の基地局の開設(FSI)の一環として、OpenRANに準拠した以下のテクノロジーが導入されます。
- Samsung仮想化無線アクセスネットワーク(vRAN)ソリューション、および技術、製品、統合サポート
- Dell Common Off The Shelf(COTS)サーバー
- Intel Xeonプロセッサ、ワークロードの加速化、コネクティビティなど、最適化されたソリューションを実現するIntelテクノロジー
- Wind River Studioによるコンテナ化されたOpen RAN CU/DUワークロードの管理、自動化、オーケストレーション、ネットワーク機能のライフサイクル管理
CapgeminiのエンジニアとKeysight Technologiesはマルチベンダーエコシステムの相互運用性を保証するため、Vodafoneのラボでのテストとインテグレーションのサービスを提供しました。テクノロジーやベンダーがOpenRANに準拠していることが確認されれば、機器の導入はよりシンプルな作業になります。
SamsungとNECが提供するOpenRAN 4G/5Gアンテナは2022年半ばから設置される予定です。これらの無線装置は、相互接続検証がラボで完了すれば、既存のOpenRANインフラストラクチャにプラグアンドプレイ方式でデプロイできるようになります。
関係企業のコメント:
Samsung Electronics、Samsung Networks Europe社長、Thomas Riedel氏: 「当社はグローバルリーダーとして、英国初の大規模な商用OpenRANのデプロイに関与し、キャリアグレードの5G vRANソリューションをVodafoneに提供できることを嬉しく思います。世界中のTier-1オペレータによるvRANのデプロイに関わってきた経験が活かされた形であり、当社にとって大きなマイルストーンになりました。今後もVodafoneとの協力関係を継続することを楽しみにしています」
Dell Technologies Telecom Systems Business、シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、Dennis Hoffman氏: 「VodafoneのOpenRAN技術の推進へのコミットメントは、顧客、パートナー、オープンエコシステムに新しいレベルのイノベーションをもたらすでしょう。今後もVodafoneと協力してマイルストーンを達成し、OpenRAN展開を加速させ、企業、コミュニティ、通信業界に新たな機会を提供していきます」
ウインドリバー最高技術責任者(CTO)、ポール・ミラー: 「Vodafoneが主導するOpenRANは業界にとって革新的なものです。ウインドリバーは、VodafoneがOpenRANのメリットを実現するための重要なマイルストーンにおいて、協業できることを誇りに思います。Wind River Studioは、OpenRAN/5G vRANの標準インフラであり、商業的に大規模に展開されている唯一の商用5Gソリューションです。Wind River Studioは、柔軟なネットワークを実現し、検証済みのアーキテクチャを提供することで、サービスプロバイダが業界トップクラスの総所有コストで新しいサービスを迅速かつ確実に展開できるよう支援します」
Capgemini Engineering、Vodafone担当グローバルアカウントディレクター、Massimo Rocca氏: 「当社は、Vodafoneとの長期にわたる関係を継続できることを誇りに思います。このプロジェクトにおいて、エンジニアリングとシステム統合、ラボ環境の構築、他ベンダーによるインテグレーションの支援、エンドツーエンドのテストの実行の分野で専門知識を提供していることを嬉しく思います。OpenRANとネットワーク・ディスアグリゲーションは、通信事業者が持続可能性と自動化に向けて変革していくための重要な課題です。当社の専任チームが、OpenRAN変革を主導するVodafoneを支援していきます」
Keysight、Operator Industry Solutions Unit担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、Scott Bryden氏: 「Keysightは、OpenRAN仕様に基づく堅牢なネットワークの構築に不可欠な機能をテスト・検証するソリューションでVodafoneをサポートできることを嬉しく思います。Keysightのソリューションは、テスト自動化を組み込んだ共通のソフトウェアプラットフォームを活用し、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(CI/CD)を実現して、イノベーションを加速させます」
Intel、ワイヤレスアクセスネットワーキング部門担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、Cristina Rodriguez氏:「Vodafoneは、常に先進的なネットワーク技術を市場に提供しており、今回のプロジェクトもモバイル業界を大きく発展させるものです。Intelは、ボーダフォンの革新的なネットワークの立ち上げをサポートする多様なOpenRANパートナーのエコシステムに参加できることを嬉しく思います」
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