2023年7月19日 — カリフォルニア州アラメダ発 — ミッションクリティカルインテリジェントシステム向けソフトウェアを提供する世界的なリーダー、ウインドリバーは、VxWorks®がアストロスケールのELSA-M捕獲機(サービサー)を制御するオンボードコンピュータ(OBC)に採用されたことを発表しました。
アストロスケールは、持続可能な宇宙システムを構築し、宇宙で増え続ける有害なデブリの蓄積を低減する革新的なソリューションを開発しています。アストロスケールのEnd-of-Life Services by Astroscale – Multi client(ELSA-M)は、1度のミッションで複数の衛星を安全かつ確実に捕獲・除去するスペースデブリソリューションを提供します。
ウインドリバーの最高製品責任者(CPO)、アビジット・シンハは次のように述べています。「アストロスケールは、持続可能な宇宙システムを構築し、宇宙で増え続ける有害なデブリの蓄積を低減する革新的なソリューションを開発しています。業界をリードするウインドリバーのテクノロジーは、ミッションクリティカルシステム向けのリアルタイムソフトウェアソリューション分野における当社のリーダーシップを引き続き証明するものです。ウインドリバーは、数十年にわたって複雑な宇宙ミッションを成功裏にサポートし、宇宙プログラム特有の課題に取り組むお客様を支援しています」
アストロスケールのエンジニアリングディレクター、スティーブン・ウォクス氏は次のように述べています。「当社のELSA-M捕獲機(サービサー)は、お客様が抱える運用終了後の衛星の廃棄の問題を解決するものです。宇宙の持続可能性の優先順位が上がり、規制面、産業界、社会からの圧力が高まる中、当社ELSA-Mサービスでは、衛星運用者が提供するサービスと軌道の環境保全のための積極的な方法を提示します。高度で複雑なランデブ運用におけるマヌーバおよび捕獲を成功させるには、最高レベルの精度、高品質なロボティクス、オンボードシステムが求められており、そのソフトウェア基盤にはウインドリバーのような実績あるテクノロジーの使用が不可欠です」
OBCは、アストロスケールのサービサーとクライアント衛星とのランデブをサポートします。VxWorks上のアストロスケールのソフトウェアアプリケーションは、ELSA-Mを制御する、コンピュータシステムのコンピュータビジョン処理の役割を担います。ELSA-Mサービサーと運用が終了した衛星とのランデブ時のマヌーバなど、ロボット操作には高い精度が要求されます。
2025年には、役目を終えた衛星を捕獲する軌道上実証(IOD)ミッションが計画されています。これは、既存デブリを除去するための ADR(Active Debris Removal) 商用サービスにより、長年宇宙空間に存在した大型クライアント衛星をエンドツーエンドで除去する初めてのケースとなり、アストロスケール、OneWeb、欧州宇宙機関(ESA)の間で締結されたパートナーシップの一環として実施されます。
VxWorksはその比類のないディターミニスティックな性能により、最高水準が要求されるミッションクリティカルなコンピューティングシステムに必要な、スケーラブルかつ将来性、安全性、セキュリティ、信頼性に優れた運用環境の新たな基準となります。ウインドリバーは30年以上にわたり、数多くの実績のあるソフトウェアプラットフォームを提供し、多数のインテリジェントシステムを宇宙に送り出しており、史上最も重要な宇宙ミッションの実現に貢献しています。
ウインドリバーについて
ウインドリバーは、ミッションクリティカルなインテリジェントエッジ向けソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。40年以上にわたり、イノベーターかつパイオニアとして、最高レベルのセキュリティ、安全性、信頼性を数十億台を超えるデバイスやシステムに提供しています。ウインドリバーのソフトウェアと専門性は、オートモーティブ、航空宇宙・防衛、インダストリアル、メディカル、通信など、あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。ウインドリバーは、ワールドクラスのグローバルなプロフェッショナルサービスとサポート、および幅広いパートナーエコシステムによってサポートされた包括的なポートフォリオを提供しています。ウインドリバーの詳細については、以下をご覧ください。
https://www.windriver.com/japan
アストロスケールについて
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去、寿命延長、故障機や物体の観測・点検など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めています。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。アストロスケールは、急速に成長し続けるベンチャー企業であり、安全で持続可能な宇宙環境の推進と、増大する環境問題の解決に取り組んでいます。詳細については、以下をご覧ください。
https://astroscale.com/ja
About ELSA-M
ELSA-M(End of Life Services by Astroscale - Multiple)は、アストロスケールが自己資金により開発したELSA-dミッションの後続ミッションであり、軌道上の技術実証機から発展したものです。これにより、既に軌道上に存在するクライアント衛星に対する軌道上ランデブおよび磁力による捕獲の商用化の可能性が示されることになります。
2025年の打ち上げが予定されているこのテクノロジーは、ハーウェルサイエンスアンドイノベーションキャンパスにあるアストロスケール英国の拠点であるゼウスでインハウス開発が進められています。サービサーは打ち上げ後、アストロスケールのミッションコントロールセンター内で運用されます。ELSA-M捕獲機(サービサー)は今後、アストロスケールドッキングプレートのような互換性のある、磁力による捕獲機構を備えた衛星コンステレーション運用者を含む様々な衛星運用者を幅広くサポートする予定です。
本ミッションは、欧州宇宙機関(ESA)とOneWebの官民パートナーシップによるSunriseプログラムを通じて、英国宇宙庁の支援を受けています。
ELSA-Mの紹介動画は、アストロスケールのYou Tubeチャンネルでご覧いただけます。
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※本プレスリリースは2023年7月19日に発表したプレスリリースの抄訳です。
https://www.windriver.com/news/press/news-20230719