2024年3月19日 — カリフォルニア州アラメダ発 — ミッションクリティカルなインテリジェントシステム向けソフトウェアを提供する世界的なリーダー、ウインドリバーは、3月18日から21日にサンノゼコンベンションセンターで開催されたグローバルなAIカンファレンス「NVIDIA GTC」で、NVIDIA Jetson™プラットフォームとWind River Linuxを利用し、エッジアプリケーション上で高度なジェネレーティブAI(生成AI)を活用したデモンストレーションを行いました。
デモンストレーションでは、Yocto ProjectベースのWind River Linuxと NVIDIA Jetson Orin™を組み合わせた、ダッシュカムビデオのリアルタイム物体認識のための画期的なCUDA最適化ソリューションが披露されました。これは、AIによる道路上の物体識別に高い精度をもたらし、交通量の多い都市環境での移動の安全性と効率性の大幅な向上を実現します。
この商用サポートされたYocto ProjectベースのLinuxソリューションは、NVIDIA Jetson上で実行されるデータモデルを持つあらゆるAIアプリケーションに活用でき、ロボティックス、工場の安全性、インテリジェントマシン、またはドローンアプリケーションなどで使用される音声または動作認識など、複数のミッションクリティカルなアプリケーションで使用できます。
ウインドリバーの最高技術責任者(CTO)、ポール・ミラーは次のように述べています。「産業に変革をもたらし、日常生活を改善する生成AIの可能性は計り知れません。NVIDIAの技術がYocto ProjectベースのオープンソースLinuxと組み合わさることで、次世代のAIが実現します。ウインドリバーとNVIDIAの技術を組み合わせることにより、開発者が、AIと機械学習に迅速な技術革新を行える抜本的な変革を生み出し、よりスマートで安全なアプリケーションの開発が可能になります。この革新的な技術をNVIDIA GTCで紹介できたことを嬉しく思います」
高度な動画処理アルゴリズムとディープラーニングの専門知識を統合した、堅牢でスケーラブルなソリューションにより、物体認識の精度と速度が向上します。また、Yocto ProjectベースのLinux環境を使用することで、このソリューションは比類のないカスタマイズと制御を可能にし、ダッシュカムのAIユースケース特有のニーズに対応します。このデモンストレーションでは、CUDAの最適化を行ったYocto Projectベース環境において、以前にテストを実施した他のLinux構成と比較して、演算効率とアプリケーション性能が25%向上したことが示されました。
テストでは、AI搭載の物体検出システムの機能を徹底的に評価するために、ユーザ個人のダッシュカムから提供されたカスタム入力ビデオを使用しました。このアプローチにより、現実のシナリオでのシステムの性能評価が可能になり、実際の状況での予測不可能性と多様性に対してソリューションを確実にテストすることができました。
このAIモデルは、複数の自動車(異なる信頼レベルを持つ)や歩行者を含む、実際の交通状況のさまざまな要素を識別し、分類します。画像解析の主なハイライトを以下にご紹介します。
- 複雑な環境下での精度:精度の高いこのシステムは、交通量の多い都市部の道路状況でも、高い信頼性で車両と歩行者を検出します。
- リアルタイム性能:AIモデルは、リアルタイムアプリケーションに不可欠な高いフレームレート(188.8 FPS)を維持しながら、ビデオストリームを効率的に処理します。このリアルタイム性能は、モデルがアクティブな先進運転支援システムに統合できる可能性を示しています。
- 実用的なアプリケーション:ユーザのダッシュカムからの映像を使用することで、デモンストレーションでは実際の状況でシステムの有効性を検証し、技術が日常のシナリオで信頼性を持って展開できることを示しています。
またNVIDIA GTCで安川電機様がWind River LinuxとJetsonの技術を組み合わせ、不確定要素が多い環境下での判断や作業の自動化にAI技術を利用した産業用ロボットを紹介しました。
エッジAI、組込みシステムやロボティクスアプリケーション向けのプラットフォームであるNVIDIA Jetsonは、スケーラブルなソフトウェア、モダンなAIスタック、商用ROSパッケージ、および特定のアプリケーション向けのAIワークフローを提供しています。これにより、ソフトウェア定義型の自律マシンや画期的なエッジ AI ソリューションの構築に必要な電力効率の高い性能を提供しながら、AI ソフトウェアとクラウドネイティブなワークフローを共有できます。
組込み業界をリードする最先端のLinuxプラットフォーム(*1)であるWind River Linuxは、特定のユースケース向けにカスタマイズされたLinuxオペレーティングシステム上で動作する、堅牢で信頼性が高く、セキュアな組込みソリューションの開発、デプロイ、運用を実現します。Wind River Linuxは、高い性能が求められるミッションクリティカルなアプリケーションのニーズに対応する、安定性とセキュリティを提供します。
Wind River Linuxの詳細については、以下をご覧ください。
www.windriver.com/japan/products/linux
ウインドリバーについて
ウインドリバーは、ミッションクリティカルなインテリジェントエッジ向けソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。40年以上にわたり、イノベーターかつパイオニアとして、最高レベルのセキュリティ、安全性、信頼性を数十億台を超えるデバイスやシステムに提供しています。ウインドリバーのソフトウェアと専門性は、オートモーティブ、航空宇宙・防衛、インダストリアル、メディカル、通信など、あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。ウインドリバーは、ワールドクラスのグローバルなプロフェッショナルサービスとサポート、および幅広いパートナーエコシステムによってサポートされた包括的なポートフォリオを提供しています。ウインドリバーの詳細については、以下をご覧ください。
www.windriver.com/japan
*1:VDC Research、The Global Market for IoT & Embedded Operating Systems
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※本プレスリリースは2024年3月19日に発表したプレスリリースの抄訳です。
www.windriver.com/news/press/news-20240319