News Release
ウインドリバー、AIおよびクリティカルなワークロード向けの 革新的な
エンタープライズLinux製品を発表
ニュースハイライト
- eLxr Proは、Cloud-to-Edge（クラウドからエッジまでの）デプロイメント特有のニーズに応えるエンタープライズグレードのLinux製品です。
- eLxr Proは、今年7月にローンチされたオープンソースのeLxr Projectをベースとした、エンタープライズ、AI、および業界特有のワークロードやユースケースをターゲットにしたDebianベースのディストリビューションです。
- ウインドリバーは、数十年間にわたるオープンソース分野でのリーダーシップを基に、業界をリードするLinux製品ポートフォリオを拡大します。
- ウインドリバーは国内クラウドサービスプロバイダー向けにeLxr Pro Design Partner Programの提供を開始します。
2024年10月29日、日本東京発 — ミッションクリティカルなインテリジェントシステム向けソフトウェアを提供する世界的なリーダーであるウインドリバーの日本法人、ウインドリバー株式会社（本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 中田 知佐、以下ウインドリバー）は、Cloud-to-Edgeデプロイメント特有のニーズに応えるエンタープライズLinux製品『eLxr Pro』の国内販売を開始したことを発表しました。ウインドリバーは業界をリードするLinux製品ポートフォリオを拡大し、今年7月にローンチされたオープンソースのeLxr Projectディストリビューションに長期的な商用サポートとサービスを提供します。また、より幅広いユーザーにeLxr Proを活用していただくため、国内のクラウドサービスプロバイダーがマネージドサービスとして提供することを目指し、国内クラウドサービスプロバイダー向けにeLxr Pro Design Partner Programを実施します。
eLxr Proは、高性能なエッジ／エンタープライズのニーズに直面している企業が、自律走行車、航空宇宙、防衛、エネルギー、金融、医療、産業用オートメーション、スマートシティ、通信などの幅広い新たなユースケースにおいて、次世代の商用デプロイメントに向けた厳しいパフォーマンス要件や運用要件を満たすことを可能にします。また、遠隔での自動更新、コンテナ化されたアプリケーションとオーケストレーション、AI推論、機械学習、自律型運用などのワークロードで、データを生成元の近くで処理するために、ニアエッジ／ファーエッジのアプリケーションを最適化してデプロイするという課題にも対応しています。eLxr Proは、DebianベースのオープンソースプロジェクトであるeLxr Projectに基づいたエンタープライズグレードのLinuxディストリビューションです。インテリジェントエッジ、ファーエッジデバイス、ニアエッジサーバー、リージョナルデータセンター、パブリッククラウドにおける各シナリオに対するデプロイメントに対応します。
2024年6月のCentOSのサポート終了など、エンタープライズサプライヤーに起因する混乱により、多くのCIOがLinuxベンダーの見直しを迫られています。既存の選択肢は制約が厳しすぎたり、複雑すぎるものが多く、進化の早いこの分野でのダイナミックな要求に追従できない実装につながっています。このような背景から、コアのOSコンポーネントや共通コードベース、フレームワークを再利用して、高速データ処理やAI、機械学習などの複雑なワークロードを効率的に管理できる、シームレスなCloud-to-Edgeソリューションへの需要が高まっています。
ウインドリバーのプレジデント、アビジット・シンハは次のように述べています。「ある特定の企業が支配する形ではなく、導入規模に対して柔軟かつ信頼のおけるサポートビジネスのオプションが用意されている、真のオープンソース製品が求められています。eLxr Proは、業界をリードするオープンソースのソリューションプロバイダーがサポートする、堅牢で差別化された新たな選択肢です。次世代のニアエッジ、エンタープライズサーバーソリューションをデプロイするお客様は、eLxr Proによりパフォーマンス、セキュリティ、使いやすさが最適化された無償版のオープンソースディストリビューションを通じて、イノベーションを推進できます。eLxr Proは、その無償版のディストリビューションであるeLxr Projectにエンタープライズグレードの商用サポートとプロフェッショナルサービスを付帯させているため、お客様は安心してご利用いただけます」
eLxr Projectについて
eLxr Projectは、Cloud-to-Edgeをカバーする信頼性の高い革新的なソリューションを求める技術者や企業ユーザーが、最新テクノロジーにアクセスできるようにすることを目的としたコミュニティ主導のプロジェクトです。ソフトウェアの配布と修正が可能なオープンソースライセンスの基で配布されており、ユーザーは自由に利用できます。同プロジェクトは既存のDebianパッケージを精査し、業界特有のワークロードを実行するために必要なパフォーマンスの最適化と強固なセキュリティを最小限のフットプリントで提供します。eLxr Projectの創設メンバーであるウインドリバーは、Linuxディストリビューションを通じて新しいテクノロジーや専門的なソリューションを実現するというプロジェクトのミッションを推進する重要な役割を果たしています。eLxr Projectでは、今後のリリースサイクルでハードウェアサポートの追加、クラウドネイティブ機能拡張が計画されています。
eLxr Proについて
eLxr Proは、コミュニティ主導のeLxr Projectで提供される標準ライフサイクルを超える包括的な長期商用向けのサポート、プロフェッショナルサービス、保守サービスを提供します。セキュリティ課題の解決や不具合の管理を含む多彩なサービスレベル契約（SLA）オプションも用意されています。これらのサービスにより、eLxrのお客様はオープンソースの柔軟性とイノベーションを活かした最先端テクノロジーを特有のニーズに応じて利用し、eLxrベースのシステムの信頼性と安定性を向上させることができます。業界随一の専門知識を有するウインドリバーは、特に制約の厳しい環境でのデプロイメントにおいて、パフォーマンス、セキュリティ、カスタムのハードウェア機能、認証など業界特有の要件を満たすオープンソースソリューションの構築をサポートします。
ウインドリバーのオープンソース分野におけるリーダーシップ
ウインドリバーは約20年間にわたり、エッジコンピューティング向けにカスタマイズされた市場をリードする商用オープンソースLinuxソリューションを提供しています。オートモーティブ、航空宇宙・防衛、インダストリアル、メディカル、ネットワーク、通信業界など多岐にわたるお客様がウインドリバーの高度な製品とサービスを活用し、これまでに何千ものLinuxプラットフォーム／アプリケーションの開発、デプロイに成功しています。
ウインドリバーは、Yocto Project、Open Handset Alliance、Zephyr Project、StarlingXなど主要なオープンソースイニシアチブの創設メンバーとして、オープンソースの原則にコミットし、リーダーシップ、コード、革新的なソリューションに向けて積極的に貢献しています。オープンソースでの豊富な実績を持つウインドリバーは、組込みのユースケース、クリティカルなアプリケーション、サーバーベースのプラットフォームにわたる多様なエンタープライズシステムをサポートする専門知識を提供しています。
エコシステム
エンタープライズにおけるCloud-to-Edgeの課題解決には、オープンソースコミュニティ内でのハードウェアとソフトウェアのプロバイダー間のパートナーシップが必要とされており、eLxr Projectはその課題に取り組んでいます。さらにクラウドプロバイダーや半導体企業、システムインテグレーター、ハイパースケーラー、ODM／OEM、独立系ソフトウェアベンダーとの取り組みを通して、耐環境性部品を搭載した従来と異なるフォームファクター、パフォーマンス強化、セキュリティ強化、多様なデプロイ環境、高処理負荷ワークロード（機械学習、コンピュータビジョン、AI推論）などの新たな課題の解決を目指しています。この堅牢なコミュニティエコシステムは、クラウドからエッジまでのシームレスな連携による相乗効果の実現に最適です。本発表に対するエコシステムからのコメントについては、別紙の『エコシステムからのコメント』をご覧ください。
ウインドリバーは、Intel®などのパートナーと密接に連携して、お客様主導のイノベーションと変革を推進しています。機能検証の取り組みでは、IntelのQuick Assist Technology（Intel QAT）をデータ暗号化や圧縮に活用し、計算ニーズを効率的に処理することを目指しています。また、OpenVINOTMでディープラーニングモデルを使用してエンドユーザーエクスペリエンスの強化に注力しています。さらに、Intel Gaudi 3 AIアクセラレーター技術を活用して、ソフトウェア定義が主流になりつつある世界で、計算負荷要件に対応できるスマートかつ信頼性が高く、セキュアなソリューションを実装することにも取り組んでいます。
eLxr Pro Design Partner Programについて
eLxr Pro Design Partner Programは、eLxr Server Proをクラウドサービスプロバイダーのマネージドサービスとして提供し、より幅広いユーザーにeLxr Proのメリットを享受いただけることを目指した、国内クラウドサービスプロバイダー向けのプログラムです。
ウインドリバーの代表取締役社長、中田知佐は次のように述べています。
「eLxr Pro Design Partner Programは、企業ITユーザーが個別環境として構築することなくeLxr Proをご利用いただけるよう、国内クラウドサービスプロバイダーのマネージドサービスとして提供することを目指した取り組みです。ウインドリバーはeLxr Server Proを通じて、日本の企業ユーザーのIT環境に、新たな選択肢を提供してまいります」
ウインドリバーについて
ウインドリバーは、ミッションクリティカルなインテリジェントシステム向けソフトウェアを提供する世界的なリーディングカンパニーです。40年以上にわたり、イノベーターかつパイオニアとして、最高レベルのセキュリティ、安全性、信頼性を数十億台を超えるデバイスやシステムに提供しています。ウインドリバーのソフトウェアと専門性は、オートモーティブ、航空宇宙・防衛、インダストリアル、メディカル、通信など、あらゆる業界のデジタルトランスフォーメーションを加速させています。ウインドリバーは、ワールドクラスのグローバルなプロフェッショナルサービスとサポート、および幅広いパートナーエコシステムによってサポートされた包括的なポートフォリオを提供しています。
ウインドリバーの詳細については、以下をご覧ください。
www.windriver.com/japan
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Wind Riverは、Wind River Systems, Inc.およびその関連会社の商標または登録商標です。記載されているその他の商標は、各所有者に帰属します。
＜別紙＞エコシステムからのコメント
今回の発表に際し、eLxr Proやウインドリバーに対するエコシステムからのコメントについて紹介いたします。
- Advantech：「Advantechのハードウェアで動作するeLxr Proは、コスト効率に優れた、高速かつセキュアなエッジソリューションの標準ベースプラットフォームをお客様に提供します」— Advantech、エッジおよびエッジAIビジネス開発担当シニアディレクター、Sven Freudenfeld氏
- Avassa：「ウインドリバーのeLxr Proの技術的な設計や特徴は、進化の速いエッジで成功するために当社が必要と考えているものと一致しています。IoTとAIのワークロードを効率的に、セキュアかつ堅牢にエッジに配置できること、コンテナアプリケーションとAIモデルのパッケージング標準を有効活用すること、オンライン／オフラインのシナリオで運用面の堅牢性を確保することが、エッジでのIT、OTの未来を形成します。当社はウインドリバーのエコシステムの一翼を担い、市場をリードするコンテナアプリケーション管理と運用機能をユーザーに提供できることを誇りに思います。今後、ともに成長していくことを楽しみにしています」—Avassa、CEO、Fredrik Lundberg氏
- Amazon Web Services：「お客様がAWSのEC2インスタンス上でeLxr Linuxを選択でき、eLxr Pro製品を通してウインドリバーから長期的にサポートを受けられることを、嬉しく思います。エッジデプロイメントでは、シフトレフトアプローチをにより、AWS上で開発、テストを実施できます。ウインドリバーのeLxrの発表は、オープンソースにとってベストな環境を提供するという当社のコミットメントと一致するものです」—AWS、自動車および製造業向けテクノロジー戦略担当ディレクター、Andrea Ketzer氏
- Capgemini：「市場では、あらゆる産業分野にわたり、ミッションクリティカルな、高可用性、堅牢なエッジアプリケーション向けOSの需要が高まっています。当社がお客様に提供している高度なソリューションにおいて、ウインドリバーは大切なパートナーであり、eLxr Pro Linuxは、新しいクリティカルシステムの開発を加速させるでしょう」—Capgemini Engineering、ソフトウェア最高責任者、Jiani Zhang氏
- Edge Impulse：「当社は、ウインドリバーと共に、共通のお客様が世界中でオープンソースのeLxrとプロフェッショナルグレードのeLxr Proの両方で最新のエッジAIイノベーションの実運用へのデプロイをサポートできることを誇りに思います。当社のプラットフォームを通して、eLxrは最新のエッジAIモデルにアクセスし、リアルタイムの物体検出や異常検知など、あらゆるエッジデバイスとユースケースに対応します」—Edge Impulse、共同創業者兼CEO、Zach Shelby氏
- Intel：「当社はウインドリバーと長年緊密に連携し、vRANなど新技術のデプロイメントを実現してきました。今回の取り組みはそうした経験を生かし、Guadi、OpenVino、QATなどの技術を進化させ、ウインドリバーのeLxr Pro Linux製品によって、拡張性のあるオープンソースのエッジサーバーデプロイメントを求めているお客様にさらなる価値を提供します」—Intel Corporation、ネットワーク＆エッジグループ担当最高テクノロジー責任者、Pere Monclus氏
- SAIC：「eLxr Proは、SAICの統合ソリューションポートフォリオを効果的に補完する堅牢で柔軟なプラットフォームです。エンタープライズからエッジまでクリティカルなワークロードに対応する高性能でセキュアなオープンソースのソリューションは、政府機関のお客様が求めているものです。当社の製品とサービスをeLxrベースのソリューションを含む形で拡大していくことを楽しみにしています」—SAIC、陸軍ビジネスグループ担当シニアバイスプレジデント、Greg Fortier氏
- SiFive：「ウインドリバーのeLxr Proでの先進的なLinux活用により、RISC-Vエコシステムに参画している企業の商機が増えています。これにより、お客様はイノベーションに専念することができ、最終的には、エンドユーザーに多くの選択肢を提供することができます」—SiFive、インフラストラクチャ市場担当シニアディレクター、Ian Ferguson氏
- Supermicro：「Supermicroサーバー上のeLxr Proは、エッジからデータセンターまでのビジネスクリティカルなソリューションの統一プラットフォームをエンドユーザーや独立系ソフトウェアベンダーに提供します」—Supermicro、5G＆エッジ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、Michael Clegg氏
- ZEDEDA：「エッジコンピューティングのプロジェクトを成功させるには、複雑かつ異種要素が混在する環境に対処する必要があり、多くの割合で膨大なスケール対応が求められるため、オープンソースアプローチが提供する適用性が必要です。ウインドリバーは、ミッションクリティカルなソリューションの提供と運用テクノロジーチームとのコラボレーションに関して豊富な専門知識を有しており、当社の理想的なパートナーです。ZEDEDAマーケットプレイスでeLxr Proを提供できることを誇りに思います。当社はお客様にデータに近い場所でセキュアかつ効果的に処理を行える信頼性の高いオープンソースオプションを提供できます。」—ZEDEDA、テクニカルビジネス開発担当バイスプレジデント、Michael Maxey氏