WIND RIVER STUDIO: 運用

デジタルフィードバックループ

OSとアプリケーション固有のデータの組み合わせから得られるリアルタイム分析とインサイトにより、データに基づいた意思決定を行い、エッジコンピューティング上の資産の健全性、パフォーマンス、メンテナンスを最適化することができます。

デジタルフィードバックループ(DFL)は、インテリジェントエッジで
動作するシステムやアプリケーションのパフォーマンスに関する
迅速なフィードバックを提供します。

エッジデバイスからのテレメトリ、ログ、イメージ、イベントなどのデータを大規模に定義、埋め込み、共有します。
デプロイされたシステムからメタデータとテレメトリデータを収集、統合し、これらのシステム全体のパフォーマンス、機能、ユーザ動作を最適化するための精選されたリアルタイムインサイトを提供します。 Wind River® Studioは、デバイスのリブート、パワーサイクル、設定更新、動作モードの切り替えなどのフィードバック処理を閉ループ化し、ロールベースのコマンドコンソールによって設定した手動または自動応答によるトリガーで実行します。

Wind River Studioのデジタルフィードバックループソリューション

DFL Edge Agent (SDK)

開発または運用中のIoTエンドポイントを、選択したWind River Studioクラウドプロバイダに安全に接続するための、軽量でプラットフォームに依存しないソリューションを提供します。アプリケーションおよびミドルウェアのWind River Studio LinuxまたはVxWorks® Build Systemを介して導入されたDFL Edge Agentは、デバイスとWind River Studioクラウド間の安全な双方向接続を可能にします。OSテレメトリやデバイス固有のデータ、カスタムコマンドへのアクセスにおいて、柔軟性と分かりやすさを提供します。

デバイス管理

デバイスの安全な登録からメタデータの登録、デバイスへのリアルタイムなリモートアクセス、トラブルシューティングと管理を行うロールベースのコマンドコンソール(独立したデバイスおよびフリートとして集合的に)など、ライフサイクルを通じたエンドツーエンド管理のための拡張性のあるフレームワークを提供します。

リアルタイムシステム
アナリティクス

リアルタイムシステムアナリティクスは、Wind River Studio のセキュリティ強化機能を拡張し、クリティカルな組込みワークフローのライフサイクルを一元管理します。アプリケーションのリリース前の開発段階のデータから、早期にインサイトを取得して問題を特定し、解決します。運用時には、マシンデータを使用して顧客とデバイスの動作を調査し、保守のリスクとコストを管理します。CPUリソースの使用率が閾値を超えるなどの異常が検出された場合のアラートを設定し、自動送信します。

データ管理

柔軟性の高いスキーマのサポート機能、データパケット管理のためのネットワーク効率の高い通信プロトコル、静止状態および転送時のデータのセキュリティ、リアルタイム処理のための拡張可能なデータパイプライン、アナリティクスとビジネスインテリジェンスツールを統合するためのREST APIを提供します。

デジタルツイン
(Powered by Wind River Simics®)

仮想的に「シミュレートされた」マシンやシステムと組み合わせてDFLを使用することで、接続性に関係なくマシンの状態を永続的に記録し、シミュレーションによってマシンの状態をモデル化します。地理的に分散した世界中のチームと、実際のハードウェアで作業する前に、仮想環境で「もしも」のシナリオを検討することができます。

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開発と統合

デバイスやユーザグループごとに、きめ細かいロールベースのアクセス制御を行うための、リソースとポリシー管理が可能です。デバイスシークレットを安全に保護し、リモートで更新、停止できるようにします。また、デバイスとのインタラクションのためのRESTful APIにより、リクエスト-レスポンスログを含む完全なトレーサビリティを実現します。

デジタルフィードバック
ループ

ロボットテストベッドのデモで、DFLの動作を見る

このビデオでは、Wind River Studioがプロトタイプのロボットアームからデータを取得し、コマンドを送る様子をご覧いただけます。またデモの中で、システムのホットパスCPU使用率もダッシュボードに表示されます。このデモは、ウインドリバーの機械学習ソフトウェアのシニアエンジニアであるAutumn Chadwickが設計し実行しました。

デモを開始する »

DFLの機能と仕組み

Wind River Studio DFLは、柔軟性と拡張性を備え、クリティカルなインフラストラクチャの複数のドメインにおけるユースケースをサポートするように設計されています。

Digital Feedback Loop Use Cases

デジタルフィードバックループのユースケース

ウインドリバーは、大手クラウドサービスプロバイダーのAmazon AWSおよびMicrosoft Azureを活用し、セキュリティと信頼性に関する幅広い専門知識を基に、お客様のニーズに合わせて拡張可能なソリューションを提供しています。

Digital Feedback Loop at Cloud Scale

クラウドスケールでのデジタルフィードバックループ

DFLは、数秒から数分、数カ月、数年に及ぶタイムスケールでの可視性と実行可能性を提供します。外れ値や異常値をリアルタイムで検出し、運用担当者が対処したり、エスカレーションしたりすることができます。データサイエンティストと開発チームは、フリート全体と時間軸のデータを組み合わせることによって、より深いインサイトを得ることができます

Hot, Warm, and Cold Processing Paths

ホットパス、ウォームパス、コールドパスの処理経路

デバイスの登録と管理

DFLは、デバイスのプロビジョニングと安全管理を実現するための複数のアプローチをサポートしており、少量の個別受注生産システムから大量の製造デバイスまで、さまざまな生産規模に対応することができます。

スケーラビリティと
パフォーマンス

DFLエッジエージェントは、リソースが限られたエッジデバイスでのフットプリントを最小限に抑えながら、フィールドにおけるデバイスの動作とパフォーマンスの圧倒的な可視性を提供するよう設計されています。

柔軟性と構成可能性

DFLの活用で、開発者はインテリジェントエッジクラウドと共有するデータの忠実度と粒度の選択や、共有するデータの種類(メタデータ、OSまたはアプリケーションのテレメトリ、イベント、複雑なデータタイプ)の選別を可能にします。またデバイスが認識し応答すべきコマンドを特定することができます。

デジタルフィードバックループのエコシステムパートナー

Grafanaは、データの分析およびインタラクティブな視覚化を可能にするダッシュボードツールです。美しく柔軟なダッシュボードで、すべてのデータの作成、探索、共有が可能です。

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Qlik は、アクティブインテリジェンス向けに構築されたクラウドプラットフォームです。データ、インサイト、アクションの間のギャップを解消。データと分析をリアルタイム、AI 主導型に変換し、コラボレーションとアクションにつなげます。

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Tableauは、お客様がデータを見て理解できるように支援します。DFLテレメトリーデータと接続して、ドラッグ & ドロップ操作でビジュアライゼーションを作成し、ワンクリックで共有することができます。

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Wind River Studio デジタルフィードバックループに関するFAQ

デジタルフィードバックループは、ある行動の結果に関する情報を、その後の行動に適応させていくことです。デジタルフィードバックループでは、デジタル技術を使用してそのプロセスをサポートし、多くの場合、デジタル技術のスピードとリーチを活用してフィードバックデータを収集します (Ramalingam et al., USAID, 2018, "Bridging the Gap: How Real-Time Data Can Contribute to Adaptive Management in International Development")。 マイクロソフトは、デジタルフィードバックループを、お客様、社員、業務、製品のつながりと、各グループからのデータを取得、分析、行動する能力と説明しています。
デジタルフィードバックループは、お客様、社員、業務、製品から収集されたデータを、継続的に連携、分析、活用していくフレームワークです。デジタルフィードバックループにより、組織、製品、ビジネスモデルを進化させることや新しい価値の創造など、デジタルトランスフォーメーションを加速させることが期待されています。
「エッジ」とは、ネットワーク上の場所と、その場所で行われるスケーラブルなコンピューティングのクラスの両方を指します。エッジコンピューティングの特徴は、エッジデバイスそのものまたは近くでデータが処理されます。エッジデバイス、特に固定の機能が組込まれたデバイスは、データを生成・ログに記録し、コストと時間のかかる通信回線経由でクラウドに送信して処理をしてきました。これらのデバイスだけでなく、エッジインフラの他の要素(分散クラウド、ファーエッジクラウド、ストレージなど)からのデータをデジタルフィードバックループに加えることで、特に運用や製品にかかわる領域で、新しいインサイトを得ることができます。
はい、VxWorksとWind River Linuxの両方にテレメトリー機能が統合されているので、CPU使用率などのOSデータやアプリケーションデータが利用できます。また、イベントドリブンのデータもサポートしています。このデータは通常、稀なインシデントが起こった場合にのみ生成されるものです。
転送中のデータについては、MQTT接続はデジタル証明書と相互TLS認証で保護されており、適切に認証されたデバイスのみがクラウドと通信できるように証明書管理が強化されています。また、Wind River Studioのセキュリティは、許可された人だけがクラウドからデータを閲覧したり、デバイスにコマンドを送信したりできるようにしています。保存データについては、DFLはクラウドプロバイダー(例:AWS)のネイティブ暗号を利用しています。
はい、DFLは長期保存と解析のためのコールドパスデータをサポートしています。このデータは通常、サブスクリプション形式で提供されるクラウドサービスのデータボールトやデータレイクに保存されます。
DFL にはプラットフォームに依存しない Grafana ダッシュボードが付属しており、ホットパスまたはコールドパスのデータを時系列で表示することができます。また、DFLのUIには、収集したOSやアプリケーションのデータ、イベントデータ、アラート、その他のデバイス情報を表示したり、フィルタリングしたりするビューが含まれています。Qlik、QuickSight、Tableau、Power BI などのサードパーティ製の ABI ツールを使用した概念実証のサンプルが作成されていますが、これらのツールは、クラウドプラットフォームに加え、追加のライセンスが必要です。
はい、REST API を提供しており、DFL データをカスタムダッシュボードやアナリティクスのユースケースと統合することができます。
ウインドリバーのSDKはクラウドに依存しないように設計されていますが、コストとスケーリングの観点から理にかなっている場合は、ハイパースケーラの基本機能を活用します。現在、私たちはAWSのクラウドサービスでテレメトリーデータを利用できるようにするための作業を行っています。ウインドリバーのソリューションは、オープンソースの技術を活用し、特定のクラウドプロバイダーが提供する機能への依存を回避します。
DFLのエッジエージェントは、開発者がデバイスをクラウドに接続する方法を簡素化し、ロックインを回避するために、クラウドに依存しないように設計されています。クラウドプロバイダー固有の機能(例:パフォーマンスやスケーラビリティの最大化機能)は、エッジエージェントSDKで処理されます。